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文字や写真だけのレシピよりも、実際に作っている様子を動画で紹介した方が視聴者にとっては分かりやすいため、YouTube上にも料理のレシピ料理動画は多く投稿されています。
自分で考えたものならともかく、他人の考えた料理のレシピを使用した紹介動画は著作権の侵害とはならないのでしょうか?
ここでは、料理のレシピにおける著作権や動画を投稿する際に気を付けたい点などについて解説します。
一般的には料理のレシピ自体に著作権は認められません。著作権法で規定されている著作物は「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」なので、料理のレシピはこれに該当しないと考えられることが一般的なためです。
しかしながら料理のレシピを紹介している本やホームページなどについてはそれ自体が著作物となってしまうため、注意が必要です。
料理のレシピ紹介動画を投稿する際に著作権侵害となり得るケースとしては、次のようなものが考えられます。
これらは本やホームページ、動画といった形で著作物として公開されているものを利用する行為になりますので、著作権者の許諾無く利用すると著作権の侵害に該当します。
前述の通り、他者の著作物となっているレシピ本やホームページ、紹介動画を無断で利用し著作権を侵害した場合、民事上では差止請求や損害賠償請求、不当利得返還請求を受ける可能性があります。
また、告訴された場合には刑事上の法的責任として10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金を科せられる可能性があります。
料理のレシピ自体は「思想又は感情を創作的に表現したもの」にはあたらないと解釈されるため、一般的には著作物として認められません。
とはいえ人間が考えたものである以上考案者が存在し、考案者の感情としては「自分で考えたもの」である認識が変わらないと考えられます。
法的な問題はなくとも、考案者に求められる利用方法(紹介する際には引用元を明記して欲しい、など)を遵守し利用する方が、トラブルを避ける上においては有益だと考えられます。
それでは料理のレシピ紹介動画を投稿するにあたっては、どのような点に気を付ければよいでしょうか。
他人の著作権を侵害しないよう注意すべき点について、2点紹介します。
著作権侵害となり得る行為として挙げた通りですが、レシピ本やホームページをそのまま切り抜いて表示してしまうと無断転載となってしまいます。
そのため、調理過程や分量を表示する際は自分でテロップなどを作成し、オリジナルのものを作成するようにしましょう。
イラストや写真、文学的表現が入っている場合についても無断転載すると著作権の侵害となります。
前述の通り、一般的にレシピ自体に著作権は認められません。
しかし他人が考案したレシピであれば、考案者の心情としては「自分のレシピ」と考え、無断で紹介動画を作成されていると様々な角度から著作権侵害を主張する可能性があります。
トラブルを避けるという意味においても、可能であれば当該レシピを利用した紹介動画を作成して良いかを考案者に確認した上で動画を投稿することが無難です
インターネット関連の訴訟や個人情報の開示請求へ取り組む弁護士として有名。
インターネット上での著作権や肖像権、誹謗中傷などへ力を入れて対応。YoutubeやSNSでの訴訟にも詳しく、他弁護士事務所から相談や依頼者の紹介を受けている。
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